日本初!完全成功報酬型
内定辞退防止コンサルティング
内定辞退防止のヒント
就活生の意識・動向

就活生が重視する入社決定要素の変遷が意味するもの

株式会社マイナビが就活生に対して毎年実施している意識調査(マイナビ学生就職モニター調査)の中に「入社先企業を選択する際に重視したポイント」という項目があります。この項目は2015年(2016年卒)から見られますが、「最も重視したポイント」の順位の変遷には興味深い傾向が見られます。

下記が2016年卒から2019年卒までの調査で「入社先企業を選択する際に最も重視したポイント」として1位になった回答です。

       (16年)(17年)(18年)(19年)
経営の安定性  1位  1位  4位  5位
成長できる環境 4位  3位  1位  1位

この結果を見ると、「経営の安定性」が1位から5位へと順位を落とす一方で「自分が成長できる環境」が4位から1位へと順位を上げてきています。経営の安定性は企業経営そのものの結果でもありますから一朝一夕にどうなるものではありませんが、「社員が成長できる環境」はどんな企業でも改善できる可能性はありますので、内定辞退防止策にとっても重要な要素になると言えます。

「経営の安定性」も「自分が成長できる環境」も、就活生にとっては企業を選ぶ上で重要な要素であることは間違いありません。ですので、両者が調査年度によって1位になったり2位になったりしているのであれば、年度によって就活生の関心に若干のバラツキが見られるということで済ませることもできるでしょう。しかしこれだけはっきりと年度による変化の傾向が見られるということは、就活生に何らかの意識の変化が生じていると考える方が自然だと思われます。では就活生にどんな意識の変が起きているのでしょうか。

学生の就業意識の変化


そのことを考える上で、大学生に関する他の意識調査結果も見てみましょう。企業が学生にオファーを送る新卒採用サイト「OfferBox(オファーボックス)」を運営する、株式会社i-plugが2018年卒学生を対象に「就活生の働き方に関する意識調査」を実施しています。

その中で「将来的に転職も『あり』だと思うか」という質問項目があります。その回答を見ると「長く一社で勤めたいので転職は『なし』」と答えた学生が9.9%だったのに対し、「キャリアアップのためなら転職も『あり』」という回答は62.1%で、その他も含めて転職を『あり』と答えた人は合計で85.1%に上ります。

この調査結果も含めて多くの調査結果や識者が指摘しているように、既に近年の若者にとって「転職」はビジネスパーソンとしてのキャリア形成において「自然な選択肢のひとつ」になっていると言えます。

一方、東芝の経営危機や、神戸製鋼や自動車メーカーの不正検査問題など日本の「品質神話」を崩壊させかねない事件の数々は、企業の「安定性」に対する若者の不安を高めていると言えます。さらに「安定企業」の代名詞とも言える日本の3大メガバンクグループですら人員削減を公言する時代では、就活生も将来的な「リストラ」のリスクを意識するのが自然ななりゆきだと言えるでしょう。

これらの状況を考えると、就活生が重視する入社先決定要素の変遷は、企業の安定性に対する就活生の不安感の表れであり、入社した会社が将来的にどういう状況になったとしても、転職や起業によって逞しく生きていくためのスキルや経験を身に付けていくことを本気で重視し始めていることの表れだとも考えられます。

就活生の意識の変化への対応は急務


超売り手市場の新卒採用戦線を勝ち抜いていくためには、企業規模に関わらず全ての企業はこうした就活生の意識の変化に対応していくことが急務であると言えます。

企業規模の大きさは、もはや学生に十分な安心感を与えられる要素ではなくなっているかもしれません。そのことにいち早く気づいて社員の成長を促すことのできる環境づくりに取り組み、そのことを就活生にわかりやすくアピールできる企業になることが、就活生にとって入社先企業としての魅力を高め、内定辞退の防止にもつながっていくと言えるでしょう。

一方、「わが社は今までも社員を成長させることに熱心に取り組んできたので大丈夫」と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。ただ、そこで今一度考えておく必要があるのは「わが社で身に着けられるのは、就活生が求めている『成長』と同じものか」という点です。

就活生が求めている「成長」とは、いわばビジネスパーソンとしての「市場価値」を高められることを意味していると考えた場合、これまでの社内研修や仕事を通じて習得させようとしているスキルや経験は、果たして社員の市場価値を高めているかどうか、改めて考えてみる価値はあるかもしれません。その上で、就活生に対して「我々の会社はみなさんのビジネスパーソンとしての市場価値を高められる会社です」と自信を持ってアピールできれば、就活生の関心を大いに高めることに役立ち、内定辞退の防止につながることも間違いありません。

✔ 他の“内定辞退防止のヒント”を見る

ページのトップへ戻る