日本初!完全成功報酬型
内定辞退防止コンサルティング
内定辞退防止のヒント
新卒採用トピックス

2021年以降の新卒採用市場の見通し

就職情報サービス企業各社から、4月末~5月初における2020年卒内定状況が発表されました。主な調査結果を見ると、この時期の内定率はディスコ社が51.1%、リクルートキャリア社が51.4%、マイナビ社が39.3%となっています。

調査結果には10ポイント程度の開きが見られますが、前年同時期に比べると、ディスコ社が8.9ポイント、リクルートキャリア社が8.7ポイント、マイナビ社が6.1ポイントと、いずれも大きく増えており採用活動が前倒しで進んでいることを示しています。

また、内定を出している企業の規模を見てみると、ディスコ社とリクルートキャリア社の2社で「従業員数1000~5000人」の企業での増加が目立っており、比較的規模の大きな企業で採用活動の前倒しが進んでいることも窺えます。

一方、内定取得者のうち就活終了予定者の割合を見ると、ディスコ社とリクルートキャリア社の調査では昨年よりも増加傾向が見られるものの、いずれの調査でも8割~9割近くの就活生が就活継続の意向を示しています。

このことから多くの就活生にとって「本命」の企業はさほど前倒しで内定を出していない様子がうかがえます。これは2020年卒の採用活動では経団連ルールがまだ適用されることで経団連加盟企業については内定早期化に歯止めがかかっていることを表しているものと考えられます。

2021年卒の新卒採用市場


経団連が2020年卒で就活ルールの廃止を決めた際には、これによって2021年卒を待たず、なし崩し的に新卒採用が早期化する可能性も考えられました。しかし上記のように全体的には採用活動の早期化が見られたものの、経団連加盟企業は少なくとも内定出しのタイミングについては従来と同様の姿勢を維持したものと考えられます。では2021年卒以降はどうなるのでしょうか。

4月22日に経団連と大学側とで構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が発表した「中間とりまとめと共同提言」の内容を見ると、就活ルールが政府主導に変っても経団連は産学協議会を通じて自らの意向を政府の方針決定に反映させていこうという意思がうかがえます。

経団連は就活ルール策定廃止を発表したときも「何らかのルールの必要性」は認めており、また産学協議会による共同提言の中でも「複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべきである」と述べています。こうした点から経団連も「なし崩し的な新卒採用の早期化」は想定しておらず、2021年卒の採用活動でも既に政府が発表している従来通りのルールを、少なくとも表面的には順守していくものと思われます。

では2022年卒以降についてはどうでしょう。

2022年卒以降の新卒採用


今回の産学協議会による共同提言は、昨年の10月に経団連が就活ルール策定廃止を決定してから半年余りで発表されました。このスピード感から考えると、新卒採用に関する具体的なルールも2022年卒の採用活動に間に合わせるタイミングで政府に提言する可能性は高いと思われます。

今回の共同提言で示されている新卒採用に関する主な方向性としては「ジョブ型採用を拡大する」「採用・選考活動の早期化や長期化を避ける」「学修成果の評価時期を見直す」「インターンシップを整理する」といった点が挙げられます。

共同提言の中ではいずれも実現には課題が挙げられていますが、特に実現が難しいのは「採用・選考活動の早期化や長期化を避ける」「学修成果の評価時期を見直す」という2点だと思われます。

経団連の就活ルール策定廃止も、直接的には採用活動を早期化させている「経団連非加盟企業」との人材獲得競争における制約撤廃の意味が強かったと考えれば、経団連加盟企業が不利にならないような形で「採用・選考活動の早期化や長期化」を避けられるような秩序を新卒採用市場に作り上げる妙案があるとは考えにくいと思われます。

また「学修成果の評価時期の見直し」も、そこで想定されている対象が「より高い専門性を重視するジョブ型採用」の学生だとすれば、そうした人材こそ採用の早期化が最も進んでおり、そうした人材に対して「卒論、卒業研究の成果を含む、卒業・学位取得に至る全体の成果」を評価できるタイミングまで待って採用活動を行うというのは、学部生を想定する限りは現実離れしていると思われます。可能性があるとすれば大学院生に対して学部生時代の評価を基に採用活動を行うといったことが考えられますが、対象者はかなり限定されてしまいます。

一方「インターンシップの整理」は、そこで得られた学生情報の活用の点で課題が残されているものの、比較的容易に具体化していくものと考えられます。

具体的には、1・2年次に対するインターンシップは、実践的キャリア教育を通じてその後の学業への動機付けや業界・企業及び職種への深い理解に繋げる目的で「キャリア教育」と呼称を変更すること、また「ワンデーインターンシップ」については教育的意義を持つ本来の「インターンシップ」とは呼ばず、区分して取り扱うことなどが明記されています。

このように2022年卒以降の新卒採用に関しては、現時点ではまだ具体的な内容としては想定困難な部分が多く残されていますが、新たな秩序形成は産学協議会の議論に基いて動いていくことはほぼ間違いないと考えられますので、今後もその動きから目が離せません。

✔ 他の「内定辞退者防止のヒント」を見る
ページのトップへ戻る