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「求める人材像」から考える内定辞退防止策

改めて言うまでも無く、内定辞退の深刻さは年々増すばかりです。以前このコラムでも見たように、2019年卒の新卒採用市場では上場企業が一斉に母集団形成に力を入れた結果、上場企業同士での内定競合が増え、それが上場企業における内定辞退者の増加につながったと考えられます(「内定辞退率3割以上の上場企業が大幅に増加した理由とは?」ご参照)。

上場企業同士の内定競合が増えたのは、同じ人材に複数の上場企業が内定を出したためです。これは各社の「求める人材像」が似ていることを示しています。

もちろん経験者のキャリア採用に比べて新卒者採用の多くは、入社後の人材育成を前提にポテンシャルを評価して合否を決めることになります。そのため選考基準が似通ってくるのは自然なことだとも言えます。しかし、いくら新卒者といえども求める人材を突き詰めて考えれば、そこには自ずと各社なりの独自性があってしかるべきです。

業種によっても求める人材に違いはあるでしょうし、職種によっても異なるはずです。また、各社が置かれている事業展開上の課題や将来像などによる違いも考えられます。ただ、キャリア採用のように「即戦力」として具体的な人材ニーズに基いて採用活動を行っているのではないため、そこまで突き詰めて「求める人材像」を想定すること自体が難しいのも事実です。

しかし、これだけ内定競合が多くなり、内定辞退の防止が急務となってきていることを考えれば、他社と異なる「求める人材像」を設定することで内定辞退の防止につなげることも考える時期にきているのではないでしょうか。

事業におけるフェーズから「求める人材」を考える


新卒採用では求める能力等のバランスのとれた人材を求めがちですが、それだとどうしても人材像は似てきます。そこで、ここではバランスよりも「強み・特長」を重視して「求める人材」を考えてみましょう。その場合の考え方のひとつが「事業展開フェーズ」から求める人材を考えるというものです。

一般にビジネスには大きく分けて「創る」「伸ばす」「変える」という3つのフェーズがあります。そしてそれらの事業展開フェーズに応じて企業を成長発展させていくためには「創る人」「伸ばす人」「変える人」でも言えるような、各フェーズに応じて活躍できる人材が必要になります。

「創る」という事業展開フェーズは、企業レベルで見れば「新規事業」に取り組む場合が典型的ですが、さらにひとつの部門の中でも新たな顧客層を対象にした市場に進出したり、新たなエリアに市場を拡大するといった場合なども該当します。そこでは新商品開発、マーケティング、新規開拓営業などで力を発揮する人材が必要になってきます。

こうした「創る」というフェーズで活躍できる人材には、行動特性から見れば「協調性」よりも「主体性」や「バイタリティ」といったことが求められます。また思考特性から見れば「理解力」よりも「独創性」や「仮説-検証型思考」が重要です。

一方、多くの企業で日常的に直面するのが「伸ばす」という事業展開フェーズです。典型的なものとしては、既存の市場で売り上げを増やしたり、生産現場で品質や生産性を高めるといった活動です。

ここで活躍できる人材には、「チームワーク」を重視した行動や、計画的に業務を着実に遂行していける能力、あるいはたゆまぬ改善に取り組み続ける「まじめさ」などが求められます。

さらに企業には環境変化に対応するための変革が必要になる場合もあります。そこで必要となるのが「変える人」です。変革には抵抗がつきものですので、逆風の中でも改革を推し進めていくには強靭な精神力が必要です。また難しい状況に直面して「決断力」が重要になる場面も多いでしょう。

このように企業には日々の具体的な活動レベルにおいても「創る」「伸ばす」「変える」といった、異なる人材が必要になる場面に数多く直面します。そしてそれぞれの人材に求められる行動特性・思考特性には違いがあります。

こうした観点で求める人材を設定しなおせば、従来では選考を通過してこなかった就活生の中にも「求める人材」に該当する人材が見つかる可能性があります。そうなれば従来通りのバランス型人材だけを求める企業とは内定競合することなく内定辞退を防止することができ、入社後の活躍が期待できる人材を採用できる可能性が高まります。

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