内定辞退防止のヒント
採用活動のチェックポイント
営業ノウハウに学ぶ応募者の惹きつけ方
新卒採用では、採用プロセスの中で応募者が抱く「企業に対する印象」が最終的な内定辞退防止にも大きく影響します。中でも応募者が最初に接する採用担当者の皆さんは、企業に対する「第一印象」を形成することになるため特に重要です(本コラム「採用担当者に対する印象と内定辞退防止への影響」ご参照)。
採用担当者の皆さんが応募者に好ましい第一印象を与え、採用プロセスでのやりとりを通じてそれを「会社に対する好感度」にまで高めていくことができれば、企業に対する大きな魅力のひとつとなり内定辞退防止策としても大いに効果を発揮することになります。
「採用活動は営業活動に似ている」とよく言われますが、それは「営業担当者と顧客」「採用担当者と応募者」のそれぞれの間で「好感度」や「信頼感」を醸成していくことが極めて重要であるからに他なりません。
そこで今回は「営業のノウハウ」を参考にしながら、採用担当者のみなさんと応募者との間で好感度や信頼感を高めていく方法を考えてみましょう。
先ずは好ましい第一印象づくりから。営業担当者に対する顧客の好印象づくりに関して、営業の世界でよく知られているのが「メラビアンの法則」です。
これは言語情報と聴覚情報、視覚情報の3つに矛盾があった場合、言語情報を優先する人は7%、聴覚情報は38%、視覚情報は55%だったというコミュニケーションの実験から導き出された法則です。たとえば「ありがとう」と言った場合、その言葉だけでは7%の人にしか感謝は伝わらず、声や言い方にも気持ちがこもっていればさらに38%の人に伝わり、それに加えて顔の表情にも気持ちが表れていればさらに55%の人にも伝わるというものです。すなわちコミュニケーションでは「非言語情報」がたいへん重要だということを表しています。
この法則から営業では「声のトーンや表情も意識してお客様と接するのが大事」と言われていますが、採用活動では応募者と会う機会はさほど多くなく第一印象がとりわけ重要になりますので、初対面のときから応募者には「明るく笑顔」で接することが好感度を高める第一歩となります。
また通常は応募者と1対1で話す時間もそれほど長くはありませんので、短時間で好印象を与えることも重要です。それには営業で使われる「ラポールトーク」が役に立ちそうです。これは出身地や趣味、サークル活動など様々な個人的なことについて共通の話題を展開することで親密感や共感を呼ぶ話法です。当たり前のことにように聞こえるかもしれませんが、採用活動で応募者相手にこうした細かな点まで意識して話すことはあまりないのではないかとも思われます。
さらにこうして得られた「好感」を「信頼感」にまで高めていくためには「返報性の原理」が使えそうです。これは、他人から何らかの施しを受けた場合に「お返しをしなければならない」という感情を抱く心理のことを言います。営業では商談を切り出す前にお客さんに役立ちそうな情報提供に徹することで、商談を受け入れてもらいやすい心理状態を作り出すということがよく行われます。
同様に採用活動でも、応募者の知りたい情報を素早く提供したり、面接に立ち会っていたら改善点をアドバイスしてあげるといったことを意識的に行うことで、応募者も自分が入社先選びで重視している点など、採用担当者の皆さんが知りたい「ホンネ」を話してくれることが期待できます。
営業では「事前準備」の重要性も良く言われます。優秀な営業担当者は、顧客訪問の前には事前に顧客ニーズに関する仮説をいくつか用意して、顧客にとっても有意義な面談になるように心掛けていると言います。同様に応募者との面談でも、事前に履歴書やエントリーシートなどからラポールトークの話題にできる材料を探しておいたり、応募者が気持ちよく話せるテーマをチェックしておくと好感度の高い面談につなげられそうです。
このように、営業ノウハウの活用を意識して応募者と接することで、採用担当者の皆さんの好感度を高めて内定辞退防止策として役立てることが期待できそうです。
ただ、他にも営業の世界では様々な話法や営業手法が取り上げられますが、中にはよほど熟練の営業担当者でなければ使いこなせず、顧客から見透かされてしまって逆効果になりかねないようなものも多くありますので、採用活動で参考にするのは上記のような基本的な手法にとどめておくのが良いかもしれません。
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採用担当者の皆さんが応募者に好ましい第一印象を与え、採用プロセスでのやりとりを通じてそれを「会社に対する好感度」にまで高めていくことができれば、企業に対する大きな魅力のひとつとなり内定辞退防止策としても大いに効果を発揮することになります。
「採用活動は営業活動に似ている」とよく言われますが、それは「営業担当者と顧客」「採用担当者と応募者」のそれぞれの間で「好感度」や「信頼感」を醸成していくことが極めて重要であるからに他なりません。
そこで今回は「営業のノウハウ」を参考にしながら、採用担当者のみなさんと応募者との間で好感度や信頼感を高めていく方法を考えてみましょう。
営業ノウハウの採用活動への応用
先ずは好ましい第一印象づくりから。営業担当者に対する顧客の好印象づくりに関して、営業の世界でよく知られているのが「メラビアンの法則」です。
これは言語情報と聴覚情報、視覚情報の3つに矛盾があった場合、言語情報を優先する人は7%、聴覚情報は38%、視覚情報は55%だったというコミュニケーションの実験から導き出された法則です。たとえば「ありがとう」と言った場合、その言葉だけでは7%の人にしか感謝は伝わらず、声や言い方にも気持ちがこもっていればさらに38%の人に伝わり、それに加えて顔の表情にも気持ちが表れていればさらに55%の人にも伝わるというものです。すなわちコミュニケーションでは「非言語情報」がたいへん重要だということを表しています。
この法則から営業では「声のトーンや表情も意識してお客様と接するのが大事」と言われていますが、採用活動では応募者と会う機会はさほど多くなく第一印象がとりわけ重要になりますので、初対面のときから応募者には「明るく笑顔」で接することが好感度を高める第一歩となります。
また通常は応募者と1対1で話す時間もそれほど長くはありませんので、短時間で好印象を与えることも重要です。それには営業で使われる「ラポールトーク」が役に立ちそうです。これは出身地や趣味、サークル活動など様々な個人的なことについて共通の話題を展開することで親密感や共感を呼ぶ話法です。当たり前のことにように聞こえるかもしれませんが、採用活動で応募者相手にこうした細かな点まで意識して話すことはあまりないのではないかとも思われます。
さらにこうして得られた「好感」を「信頼感」にまで高めていくためには「返報性の原理」が使えそうです。これは、他人から何らかの施しを受けた場合に「お返しをしなければならない」という感情を抱く心理のことを言います。営業では商談を切り出す前にお客さんに役立ちそうな情報提供に徹することで、商談を受け入れてもらいやすい心理状態を作り出すということがよく行われます。
同様に採用活動でも、応募者の知りたい情報を素早く提供したり、面接に立ち会っていたら改善点をアドバイスしてあげるといったことを意識的に行うことで、応募者も自分が入社先選びで重視している点など、採用担当者の皆さんが知りたい「ホンネ」を話してくれることが期待できます。
営業では「事前準備」の重要性も良く言われます。優秀な営業担当者は、顧客訪問の前には事前に顧客ニーズに関する仮説をいくつか用意して、顧客にとっても有意義な面談になるように心掛けていると言います。同様に応募者との面談でも、事前に履歴書やエントリーシートなどからラポールトークの話題にできる材料を探しておいたり、応募者が気持ちよく話せるテーマをチェックしておくと好感度の高い面談につなげられそうです。
このように、営業ノウハウの活用を意識して応募者と接することで、採用担当者の皆さんの好感度を高めて内定辞退防止策として役立てることが期待できそうです。
ただ、他にも営業の世界では様々な話法や営業手法が取り上げられますが、中にはよほど熟練の営業担当者でなければ使いこなせず、顧客から見透かされてしまって逆効果になりかねないようなものも多くありますので、採用活動で参考にするのは上記のような基本的な手法にとどめておくのが良いかもしれません。
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